芥川賞作家・中村文則の傑作サスペンスとも言われる小説『去年の冬、君と別れ』が映画化され、2018年の3月10日に公開されます。
映画『犯人に告ぐ』『脳男』『グラスホッパー』など数々のサスペンスやミステリー作品を手掛けた瀧本智行監督がメガホンを取り、脚本は、公開されるやいなや社会現象を巻き起こした映画『デスノート』や『BECK』の大石哲也さんが担当するという豪華さ。
そして、注目の主演は、EXILE、三代目J Soul Brothersのメンバーで、近年俳優としての活躍も目覚ましい岩田剛典さんです。
2014年の本屋大賞を受賞し、映像化不可能とも言われた美しくも切ない傑作サスペンス小説の映画化とあって、今から大きな話題となっています。
そこで今回は、映画『去年の冬、きみと別れ』のあらすじやネタバレ、そして、原作小説に仕掛けられた謎として注目されている「イニシャルの謎」に迫ってみたいと思います。
Contents
映画『去年の冬、きみと別れ』のあらすじ!
物語の主人公は、新進気鋭のルポライター耶雲恭介(やくもきょうすけ)です。
婚約者との結婚を間近に控え、本の出版も目指す耶雲が目をつけたのは、未解決焼死事件の元容疑者・木原坂雄大(きはらざかゆうだい)。
木原坂は天才写真家として名高い活動をしていましたが、盲目の美女が巻き込まれた不可解な焼死事件の犯人として疑われていました。
取材で事件の真相に近づくにつれ、事件の抱える闇に囚われていく耶雲。
特報でも、斎藤工さん演じる木原坂の「きみに覚悟はあるの?」というセリフが不気味に響いていますね。
まあ原作を知っている人はここでなるほどねというところでしょう。
そして、“愛のために、人はどこまで変われるのか?”というキャッチコピーが指し示すものとは一体なんなのか?
どうやら、愛が複雑に絡む復讐劇が背後にあるようですよ。
ビジュアルや特報にも多くの謎が散りばめられていて、ミステリー好きの人にはたまらないですね。
映画『去年の冬、きみと別れ』のネタバレ!
簡単原作のネタバレを箇条書きで書いておきますね。
あまり知りたくない人はキャストまで進んだほうが良いです。
登場人物のメインは
小林孝之(編集者)
僕(ライター)
吉本亜紀子(小林の元カノ)
小林百合子
木原坂雄大(写真家)
木原坂朱里(雄大の姉)
弁護士
です。
1.小林と亜紀子は元々付き合っていた。
2.亜紀子が朱里に誘拐される。
3.亜紀子の監禁場所が事故で火事となり、なくなってしまう。しかし木原坂雄大は助けることが出来たがこの火事現場をスクープ写真として撮影していて助けなかった。
4.小林は朱里と知り合い、事件の真相を知った
5.小林と弁護士が組んで復讐がはじまる
6.栗原百合子を小林百合子として近づかせる
7.百合子と見せかけて木原坂の前で朱里を焼死させる。しかし木原坂はこれも写真を取って助けようとしなかった。姉が焼かれているとはしらなかったからだ。
8.小林が仕掛けておいた作られた証拠で木原坂は小林百合子(本当は朱里)の殺害した犯人とさせられる
9.1人目の吉本亜紀子も木原坂の犯行とされてしまう
10.僕(ライター)は小林から木原坂雄大の小説を書くよう依頼される
11.偽の朱里(本当は百合子)から小林と木原坂の真相を聞く
12.事件は明るみになることなく、小説にもされなかった
というのが簡単なストーリーです。
つまり、小林の復習劇が真相であるということです。
『去年の冬、きみと別れ』イニシャルの意味とは?
原作小説『去年の冬、きみと別れ』の冒頭には「M・Mへ そしてJ・Iに捧ぐ」という献辞が記されています。
小説に限らず様々な本で、冒頭に筆者が謝辞を捧げたい人へのメッセージを書くことがあるんですね。
それは大体自分の家族や編集者や取材の協力者へあてたものなのですが、小説『去年の冬、きみと別れ』ではこの献辞もミステリーの謎の一つに含まれているんです。
実は、イニシャルが指し示す人物は、この事件の一番の中心人物の2人となります。
M.Mは木原坂雄大、J.Iが吉本亜希子を指しているとされています。
しかしイニシャルが合っていません。
通常出版物では事件系の話は登場人物に仮名が使われることが多いですね。
本人が特定されてはいけないからです。
つまりこの小説は木原坂雄大、吉本亜希子を記した出版物ということでそれぞれには本当の名前があり、それがイニシャルであらわされているという解釈をしました。
こちらとしては木原坂雄大、吉本亜希子の本名はわからないのでなんともいえないですけどね。
「僕は『小説』をつくって、まず木原坂雄大に送ろうと思っている。資料が混ざる不思議なつくりの小説を。彼の判決がちゃんと確定した後にね(この時点では最高裁での裁判が残っている)。彼は拘置所の中で読み、自分がしてしまった真実を知り気が狂うだろう」
「それで、彼女にもこの本を捧げる。だから、物語の最初のページには彼らの名前を書くことになる。でも日本人には気恥ずかしいから、アルファベットにしよう。これは小説だから本文では仮名を用いたけど、そこには彼らの本名を。…まずはあのカメラマンへ、そして大切なきみに」
小説からの引用
つまり「真実を小説にして木原へ、そして真実を伝えたかった元カノの吉本に捧ぐ」という意味となると思います。
これを知ったとき、細かく緻密に練られた物語作りに、あっと驚きました。
そういうことだったのか!という衝撃を感じられる作品は本当にすごいですね。
また、事件の真相の性質上、映像化してしまうと犯人がすぐにわかってしまうというジレンマもあるとのこと。
これをどういう手法で映像化するのだろう?という疑問が様々なところで上がっていました。
原作者の中村文則さんはこうコメントしています。
素晴らしい方々に演じていただけて光栄です。
映像化不可能と言われていたミステリーですが、脚本を読んだ時に「この手があったか!」と感心してしまいました。大変楽しみにしています。
引用元
どうやら映画ならではのストーリー作りがあるようですね。
なぜ映像化が難しいの?
なぜなら、小説での登場人物、小林孝之(編集者)、僕(ライター)、僕の婚約者、吉本亜紀子(小林の元カノ)、栗林百合子(小林百合子)、木原坂雄大、木原坂朱里、弁護士となります。
最初の時点で小林は木原をはめた首謀者であり、1人目の犠牲者である吉本亜紀子の元カレなので、顔で直ぐにわかるからです。
小説だと実写ではないので顔はわからないでしょう?
だから物語が進められるのですが、実写化だとそこをどうするののかが難しいため実写化は難しいということです。
SNSでもどう映像化するのか?という期待感が高まっていました。
去年の冬、きみと別れだいぶ衝撃的やったっていうか衝撃的すぎた
がんちゃん映像化大丈夫なんかな、、😓 pic.twitter.com/L3WlcqzQ33— 鴇田 雅志 (@baotian5tockey) 2017年10月16日
去年の冬きみと別れの映画、岩ちゃん出てるから見たいんだけどさ、小説読んだ時の結末が衝撃すぎて、忘れられなくなるから、見た方がいいよ。うん。
— ”せなっつ” (@sena0626tt) 2017年10月24日
「去年の冬、きみと別れ」
これどうやって映像化するんやろ……キャスト…ううーん…— ヤ@チ (@o_i_n_a_r_i_) 2017年11月4日
映像化不可能とも言われたサスペンスがどのように映像化されているのかは気になるところですね。
映画『去年の冬、きみと別れ』のキャストは?
ここで映画『去年の冬、きみと別れ』のキャストをご紹介します。
岩田剛典
山本美月
斎藤工
北村一輝
浅見れいな
とにもかくにも美男美女揃いのメンバーです。
美しくも切ないサスペンスと名高い作品にはふさわしいかもしれませんね。
岩田剛典
EXILE、三代目J Soul Brothersのメンバーで、昨年公開された映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』で主演を演じ大ヒットを記録しています。
なんと慶應義塾大学を卒業していて、学歴もすごいんです。
今作で事件の真相に肉薄していくルポライターをどのように演じているのかとても楽しみですね。
山本美月
山本美月さんは、主人公、耶雲恭介の婚約者の松田百合子を演じます。
数々のテレビドラマや映画で活躍されている女優さんですね。
耶雲との結婚を間近に控え幸せの渦中にいる百合子も事件に巻き込まれていきます。
実は事件の鍵を握る人物でもあります。要チェックですよ!
小説では百合子は朱里と入れ替わっている役のはず。
しかし婚約者は雪絵なので小説では別人なのです。
ここでいう山本美月は小説で言う百合子役なのか?
映像化のトリックはここなのでしょうか?
気になりますね。
斎藤工
斎藤工さんは、事件の容疑者である天才写真家を演じます。
ミステリアスな役柄がぴったりの俳優さんですよね。
主演の岩田剛典さんとは映画『HiGH&LOW』で共演しています。
固唾を呑むシーンが満載の2人の競演も今作の見どころですね。
脇役に北村一輝さんと浅見れいなさんという実力派も揃います。
とくに浅見れいなさんはおそらくある程度のキーポイントになるのは間違いないと思うのですが。
彼らが事件の真相にどう肉迫して何を目撃するのか、その表情や演技が今から待ち遠しいです。
まとめ
今回は映画『去年の冬、きみと別れ』をまとめてみました。
傑作サスペンスの映像化ということで、今から公開が待ち遠しいですね。
きっと最後には観客をあっと言わせる衝撃が待っているはず。
公開は2018年3月10日です。
これからさらに出てくる情報も待たれますね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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