このほどNetflixで新たに配信された、オリジナル映画『ザ・テキサス・レンジャーズ』。
ケビン・コスナーとウディ・ハレルソンという名優2人が主演を務めており、気になっている方も多いでしょう。
2人は、実在した凶悪犯ボニーとクライドを追い詰める警察を演じます。
そして実話をもとにしているために、リアリティーもすごい作品となっています。
配信が始まり間もないですが、評価も高い映画です。
『ザ・テキサス・レンジャーズ』とはどのような映画なのでしょうか?
Contents
『ザ・テキサス・レンジャーズ』ってどんな映画?あらすじは?
『ザ・テキサス・レンジャーズ』とは、2019年3月29日よりNetflixで配信されている映画です。
実在した強盗犯ボニーとクライドを捕らえた2人の刑事の知られざる物語が描かれています。
ボニーとクライドといえば、1930年代のアメリカで銀行強盗や殺人を繰り返し行ったカップルです。
当時、禁酒法や世界恐慌にあったアメリカでは、その憂さ晴らしをするように犯行を重ねるボニーとクライドを、英雄視する民衆も少なくありませんでした。
新聞でさえもそのように扱うほどで、ボニーとクライドには大きな関心が集まりました。
そして、『俺たちに明日はない』(1967年)など、ボニーとクライドが主人公に描かれら映画も作られました。
本作『ザ・テキサス・レンジャーズ』は、『俺たちに明日はない』とは対をなす作品で、実話に基づいて作られています。
『ザ・テキサス・レンジャーズ』のあらすじ
舞台は1930年代のアメリカ合衆国・テキサス州。
当時、アメリカは世界恐慌のあおりを受けて不況に陥っていた。
また、禁酒法などで社会に対する不満も溜まっていた。
そんな中で、ボニーとクライドのカップルは銀行強盗や殺人を繰り返していた。
凶悪犯でありながら、大衆から支持を集めるボニーとクライド。
政府は彼らを捕まえることができず、焦っていた。
そこで、元テキサス・レンジャーのフランク・ハマーに白羽の矢が立つ。
そして、フランク・ハマーは、かつてのレンジャー仲間メイニー・ガルトとともに、ボニーとクライドを捕らえに向かう。
『ザ・テキサス・レンジャーズ』のキャスト
あらすじに続いてキャストをご紹介します。
ケビン・コスナー/フランク・ハマー
ボニーとクライドを追う元テキサス・レンジャーのフランク・ハマーを演じるのは、名優ケビン・コスナーです。
ケビン・コスナーは、『アンタッチャブル』(1987年)の主人公エリオット・ネス役として知られています。
他にも、『フィールド・オブ・ドリームス』(1989年)や『ボディガード』(1992年)など多くの作品に出演しています。
また、監督業も行なっており、自身が監督した『ダンス・ウィズ・ウルヴズ』(1990年)は、アカデミー賞の最優秀作品賞と最優秀監督賞を受賞しました。
本作『ザ・テキサス・レンジャーズ』で演じるフランク・ハマーは、伝説的な元テキサス・レンジャー。
テキサス・レンジャー制度が廃止されているために、フランクは既に現役を引退し、妻と裕福な生活を送っています。
ウディ・ハレルソン/メイニー・ゴールト
フランクの相棒メイニー・ゴールトを演じるのは、こちらも名優のウディ・ハレルソンです。
『ラリー・フリント』(1996年)や『メッセンジャー』(2009年)で知られるウディ・ハレルソン。
近年では『スリー・ビルボード』(2017年)でビル・ウィロビー保安官を演じ、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされました。
本作『ザ・テキサス・レンジャーズ』で演じるメイニー・ゴルトは、フランクと同じく元テキサス・レンジャー。
引退してからは無職となり、娘一家の世話になっています。
キャシー・ベイツ/ファーガソン
『ミザリー』(1990年)でアカデミー賞主演女優賞とゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞したキャシー・ベイツ。
本作では、テキサス州の知事ファーガソンとして出演しています。
テキサス州政府は、ボニーとクライドを捕まえることができず、マスコミからも厳しく追及されます。
さらに、マスコミの中にはボニーとクライドを英雄視するものも。
ファーガソンは知事としての面子を保つために、何としてでも2人を捕らえようとします。
ジョン・キャロル・リンチ/リー・シモンズ
『ファーゴ』(1996年)や『ゾディアック』(2007年)、『グラン・トリノ』(2008年)』など多くの作品に出演しているジョン・キャロル・リンチ。
本作では、刑務所長のリー・シモンズを演じます。
ボニーとクライドをなかなか捕まえられずにいる中で、知事のファーガソンに、フランク・ハマーを推薦します。
『ザ・テキサス・レンジャーズ』の感想!ケビン・コスナーのアクションは?
※ネタバレもありますのでご注意ください。
『俺たちに明日はない」はボニーとクライドの犯罪者側の視点で作られました。
しかし、本作『ザ・テキサス・レンジャーズ』は、2人を追う警察側の視点で描かれています。
本作を観て、まず思ったのは、主演のケビン・コスナーとウディ・ハレルソンが格好良いということでした。
2人は元テキサス・レンジャーの隊員です。
ケビン・コスナー演じるフランクはレンジャーの隊長で、ウディ・ハレルソン演じるメイニーは部下で相棒でした。
しかし、レンジャーは廃止され2人は引退生活を送っていました。
フランクは裕福な生活だけれど、どこかやるせなさを漂わせている。
メイニーは無職で娘一家に世話をされている。
かつてはレンジャーで活躍し、それが伝説となっているのですが、現在はその様子もなく枯れ果てたようになっている。
そんな2人が、凶悪犯を捕らえようとする。
しかし、引退後は拳銃も触っておらず、銃の腕前も鈍っていて体も老いている。
ケビン・コスナーが少年を追いかけて走るのですが、当然追いつかない。
この場面は、どこか哀愁のようなものを感じるほどでした。
FBIなども、電話の傍受など、当時の最先端技術を駆使してボニーとクライドを追いかけます。
フランクとメイニーは年老いており、最先端の技術など知りません。
しかし、長年の経験を生かした、徐々にボニーとクライドに迫ります。
キャストも良かったのですが、ストーリーも素晴らしかったです。
作品内で描かれているのは、正義が悪を追い詰めることだけではありません。
正義の側にいるフランクとメイニーも、それぞれ抱えているものがあったのです。
フランクは何としても凶悪犯を捕まえたい。
そのためなら、犯人を殺したって良いと考えている。
一方、メイニーは殺すことに躊躇している。
それは、レンジャーだった時のある事件が影響していました。
実はその事件こそが、2人が伝説と言われる所以となっています。
2人には、2人で50人以上もの悪党を殺したという噂がありました。
これは事実なのですが、なんとそれは一晩での出来事だったのです。
その事件では、レンジャーは凶悪な盗賊を追いかけていました。
法律では、レンジャーは現場に乗り込む時に、必ず「手を挙げろ」と警告しなければなりませんでした。
しかし、盗賊らはそんなことには構わずに銃を撃ってきます。
レンジャーは次々と死んでいったのです。
そこでフランクは、法律を破り、盗賊らに奇襲をかけることにします。
夜明け前に突入し、警告もせずに銃を撃つというのです。
そのような計画に躊躇するレンジャーもいましたが、メイニーはフランクと共に計画を実行します。
2人が突入すると、盗賊たちは酔っ払って眠っていました。
無抵抗の盗賊を前に、2人は計画通りに発砲したのです。
そこで、気持ちが高ぶってしまったメイニーは、逃げようとする少年に発砲し殺してしまいます。
このような過去を持つ2人が「殺人犯に憧れるなど言語道断だ」や「綺麗事では済まされない」と発言します。
この映画は単に善と悪を扱ったものではなく、善悪を超越した作品のように感じました。
そして、ラストでは、ボニーとクライドの乗った車に向かって、かなりの数の銃弾を浴びせます。
その後、蜂の巣になったボニーとクライドの車が運ばれていくのですが、その周りを嘆き悲しむ群衆が取り囲みます。
その様子を近くの建物の中から眺めるフランクとメイニー。
そんな彼らのもとに、1000ドルで電話インタビューに出て欲しいと言うものがやって来る。
フランクは何も言わずに立ち去ります。
そしてメイニーは「恥を知れ」と一言。
罪深い過去を背負った彼らだからこそ、犯罪を許すことができなかったし、ましてやボニーとクライドを英雄視する人々のことなど理解できなかったのでしょう。
役目を終えた2人は、ボニーとクライドの周りを群衆が囲む中、ひっそりと帰っていきます。
このシーンの画もとても素晴らしかったです。
悪であるはずのボニーとクライドには嘆き悲しむものがいるのだが、悪を仕留めたはずの2人には誰も気に留めない。
このシーンには言葉では言い表せないものが詰まっていると思います。
キャストもストーリーもとても良い映画でした。
まとめ
ケビン・コスナーとウディ・ハレルソンの渋さと哀愁が良く出ていました。
そして実話をもとに作られているということで、重厚な作りとなっていました。
本作は、単に悪を追い詰める正義を描いたものではありません。
正義と悪を超越し、人を殺すこととか、人間の尊厳なども考えさせられる映画です。
主演の2人以外にも、脇を固めるキャストは一流です。
そして物語も素晴らしかったです。
本作はNetflixで配信中です。
とても良い映画なので、是非チェックしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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