映画マニア、管理人です!
読売演劇大賞や紀伊國屋演劇賞を受賞した鄭義信さんの作・演出による舞台『焼肉ドラゴン』が、鄭義信さん自身の脚本・監督で映画化されることになりました。
舞台の初日から口コミで広がり、翌日からチケットがすぐに完売になったという伝説の舞台です。
映画『愛を乞うひと』『血と骨』などの脚本で有名な鄭義信さんの初監督作品ということで、注目が集まっていますよ。
また、2014年の映画『白ゆき姫殺人事件』以来の映画出演となる井上真央さんの演技も楽しみなところです。
そこで、今回は映画『焼肉ドラゴン』についてネタバレやあらすじ、公開日やキャストなどご紹介します。
Contents
『焼肉ドラゴン』あらすじは?
映画の原作となる舞台『焼肉ドラゴン』は、東京の新国立劇場10周年とソウルの芸術の殿堂20周年を記念してコラボレーションした作品です。
ストーリーは、関西の地方都市で焼肉店・「焼肉ドラゴン」を営む在日コリアンの家族を描いたヒューマンドラマ。
「焼肉ドラゴン」の店主・金龍吉は、第二次世界大戦で左腕を失い、韓国の済州島から来日した高英順と再婚します。
龍吉は長女・静花と次女・梨花を、英順は三女・美花をそれぞれ連れていました。
2人は焼肉店「焼肉ドラゴン」を開業して生活を始め、やがて長男も生まれました。
そして日本万国博覧会が開催される1970年。
長男は中学生となり、次女の梨花が結婚することに。
しかし、夫となる哲男は、以前長女の静花と交際していたことがあり、今も静花への思いを断ち切れないでいました。
結婚してすぐに不仲となる梨花と哲男。
これを気にした静花は別の男性と付き合い始めます。
一方、三女の美花は、働いているバーの同僚と恋に落ちますが、相手には妻と子供がいました。
3姉妹の恋愛騒動が激しく起こるようですね。
そんな折、焼肉ドラゴンは、不法に占拠していた国有地からの立ち退きを命じられることになるのです。
『焼肉ドラゴン』ネタバレは?
ここからは舞台の話に沿ってネタバレをご紹介しますね。
その後、長女・静花は付き合っていた男性と婚約を発表するも、哲男が北朝鮮への帰国事業について来てほしいとの頼みに応じます。
次女・梨花は哲男と別れ、常連客の男性と交際。
三女・美花は不倫の末に妊娠。相手の男性は美花と結婚するために妻と離婚しました。
そんな中、「焼肉ドラゴン」の店主・龍吉の長男で、3姉妹の弟は、学校でいじめられたことを苦に・・・・。
店が立っている土地の収容に訪れた公務員に、龍吉はこの土地は自分が買ったものだと主張しますが、ついに店は取り壊されてしまいました。
祖国を離れ、自分たちで築き上げたお店を取り壊され、長男が自殺してしまう。
龍吉の気持ちを思うと胸が張り裂けそうですね。
静花と哲男は朝鮮へ。
梨花は交際相手と再婚し、韓国へ移住。
美花は結婚相手と日本でスナックを経営。
そして、一家は離れ離れになります。
しかし、舞台の結末は、希望を示唆して終わる演出となっています。
コミカルな部分もたくさんあるようですよ。
舞台と映画ではストーリー展開や演出が変わることが予想されますが、それぞれが悲しみや痛みを抱えながらも力強く生きる在日コリアンの家族の絆や希望が描かれた作品となっています。
見た方の感想
<男性>
家族が離散して個人主義的になっているのは、この焼肉ドラゴンの時代もそうだけど、現代でも当てはまるし、移民問題も世界的にみれば、決して昔という話でもない。外人差別意識やヘイトスピーチが日本のことだけではなく、世界でもあちらこちらでみられているのを思い出してしまう。現代は昔よりは移民が住みやすくなっているが、その陰で苦労してきた世代がいると思ってこの焼肉ドラゴンという映画を観るともっと面白く、切なく感じる映画だと思います。こういう世代がいるということを知っていたが、観られて良かったと思える映画でした。後半の展開にも感動しつつも、歴史的な彼らの選択した行動がどうなっていくのか知っている現代からみたら、余計に涙なしでは観れなくなりました。
<女性>
濃密な…時代も、登場人物も、その生き様も、濃い濃い内容です。おとん、おかん、それぞれを演じた俳優が、すばらしかったと思います。高度成長期の日本の片隅で生き抜いた夫婦が、本当にリアルに感じられました。三姉妹が美しすぎて、違和感がありましたが、井上真央さんの気の強そうな目力や、真木よう子さんのせつない雰囲気は、印象的でした。大泉洋さんの熱演ぶりも前評判では聞いていたけれど、やはり、おとんとおかんには、かなわない…。昭和生まれには、たまらない郷愁が漂っています。おとん、おかん、町並、強烈な背景を、懐かしく、暖かく描いた、見応えのある映画でした。
<女性>
経済成長に沸く大阪の国有地に違法に建てた焼肉店を舞台にした在日韓国人の懸命に生きる日常を描いていましたが、殆どが焼肉店を中心にしていて代わり映えしない風景でしたが、元々の舞台劇の良さを伝えるために同じような手法をとっていたと感じました。
店主の龍吉の娘たちの三姉妹の恋愛の騒動と、唯一の龍吉と英順夫妻の両方の血の繋がりがある息子の時生の過酷ないじめが中心に面白さも含めて展開されていきますが、特に次女の梨花を演じた井上真央さんの変貌ぶりには驚きました。
御淑やかな雰囲気からの激情的に関西弁を捲し立て話す姿には圧倒されて、一方の大泉洋さんは北海道生まれながら関西弁を駆使して、口ばっかりのダメ男の哲男を好演していて輝きを感じました。
龍吉の言葉に深く重い人生を感じ琴線に触れ涙しましたが、息子の時生に希望を持ちすぎたのと、時生の現状を把握できていなかった事から悲しい結果を招いたのが残念でなりませんでした。
映画『焼肉ドラゴン』キャスト
それでは、ここで現在発表されているキャストをご紹介しますね。
おそらく今後、追加してキャストが増えていくと思います。
長女・静花:真木よう子
静花を演じるのは、真木よう子さんです。
真木よう子さんは、千葉県出身で1982年生まれ。
2013年の日本アカデミー賞で、映画『さよなら渓谷』で最優秀主演女優賞、映画『そして父になる』で最優秀助演女優賞をダブル受賞して話題になりましたね。
2017年に体調不良を理由に映画を降板し、心配されていました。
今作を機に本格的な復帰となりそうですね。
焼肉ドラゴン」という素晴らしい舞台を拝見致しましたので、嘘をなく申し上げますと、映画化にあたり、ワクワクした感覚が生まれました。
舞台とスクリーンの違いがどうなるのかといった懸念が少しもなかったかと言うと嘘になります。
しかし、映像化した作品は私の期待を遥かに超えておりこの様な歴史的事実が確かに存在した事を、より多くの方に認識して欲しいと思うと共に、
鄭監督の伝えたかった”たとえ昨日がどんなでも、明日はきっとえぇ日になる”というメッセージが作品の終盤には深く皆様の心に突き刺さる事になると思います。
一人でも多くの方々に「焼肉ドラゴン」の素晴らしさが伝わることを願っています。
引用元
次女・梨花:井上真央
梨花を演じるのは、井上真央さんです。
井上真央さんは、神奈川県出身で1987年生まれ。
5歳の時から子役として芸能界にデビュー、以後多くの作品に出演しています。
2011年の『八日目の蝉』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。
NHKの朝の連続テレビ小説と大河ドラマで主演も務めています。
2016年に事務所を移籍。
今作は、2014年の映画『白ゆき姫殺人事件』以来の映画出演となります。
韓国の俳優陣はみな熱量が高く、とても刺激的でした。互いの言葉が通じずもどかしく感じることもありましたが、
今作への思いを最後まで共有することができ、忘れることのできない作品となりました。
国境や血の繋がりを越えて、運命を共にすると決めた家族たちの覚悟や、理屈ではない愛がたっぷりと詰まった作品です。
早く皆さんのところにお届けできることを私も楽しみにしています。
引用元
三女・美花:桜庭ななみ
美花を演じるのは、桜庭ななみさんです。
桜庭ななみさんは、鹿児島県出身で1992年生まれ。
「鹿児島にすごい美少女がいる」という噂を聞いて鹿児島に訪れた現事務所にスカウトされて芸能界デビューしました。
2010年の映画『最後の忠臣蔵』で日本アカデミー賞新人賞を受賞しています。
現在NHK大河ドラマ『西郷どん』で西郷隆盛の妹を熱演。
2018年は今作『焼肉ドラゴン』を含め、現在3本の映画に出演することが決まっています。
舞台「焼肉ドラゴン」の映画に出演させていただきます。
最初に舞台を観た時は在日韓国人一家の苦悩に凄く胸を打たれました。
そして何度も上演されている舞台なので期待を裏切れないというプレッシャーもありました。
完成した映画を観た時は、心の内に暗いものを秘めている一人一人が、明るく力強く毎日を送っている姿、家族の絆に感動しました。
今回、私は同じスナックで働いていて奥さんがいる男性と恋に落ちる3女の美花を演じました。
難しい役どころでしたが、真木さんや井上さんをはじめとするキャストの方々にアドバイスを頂きながら、チャレンジする気持ちで撮影に挑みました。
観ている人にエールを送ることのできる作品になっているので、ぜひ楽しみにしていてください。
引用元
哲男:大泉洋
哲男を演じるのは、大泉洋さんです。
大泉洋さんは、北海道出身で1973年生まれ。
北海道の大学に在学中出演した深夜番組『水曜どうでしょう』が全国区で人気となりブレイクしました。
以後、多くの作品に出演し、人気を博しています。
2011年の映画『探偵はBARにいる』、2015年の映画『駆込み女と駆出し男』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞しています。
先月公開されたばかりの映画『探偵はBARにいる3』での評価がとても高くなっていますね。
私自身も舞台「焼肉ドラゴン」大ファンでありましたので、映画化のオファーを頂いた際は、非常に光栄な気持ちと共に、歴史的に大きな意味のある作品に参加することへの緊張感がありました。
ですが、鄭監督を中心に日本の俳優陣とエネルギーにあふれる韓国の俳優の方々と、言葉が通じなくても素敵な作品にしようとする想いを共有しながら、とても楽しく撮影を行うことができました。
現れるキャラクターの誰しもが心に傷を抱えながらも、国や血の繋がりを超えて団結し、明日を強く生きていこうとする姿を、日本と韓国の役者陣が鬼気迫る表情や演技で見せる作品になったと思います。舞台とはまた違う、映画『焼肉ドラゴン』を是非楽しみにしていてください。
引用元
いずれも実力・人気共に申し分のないキャストですね。
骨太な作品の様子が伝わってきます。
どのように演じてくれるのか、今から楽しみですね。
『焼肉ドラゴン』監督・鄭義信
映画『焼肉ドラゴン』は、舞台で作・演出を手がけた鄭義信さんがメガホンを取ります。
池内博之がカフェで台本に号泣、「赤道の下のマクベス」トークイベント #鄭義信 #平田満 https://t.co/d41NL9Shii pic.twitter.com/2Npt4NBPiU
— ステージナタリー (@stage_natalie) December 18, 2017
(一番左が鄭義信さんです)
鄭義信さんは兵庫県出身で1957年生まれ。
松竹で美術作家を務めたのち、劇団の座付き作家となりました。
座付き作家とは、その劇団のために脚本を書く人のことですね。
90年代から映画の脚本を書き始めています。
映画『月はどっちに出ている』『愛を乞うひと』『血と骨』などの脚本を担当。
在日コリアンを描くことも多く、今作『焼肉ドラゴン』で初めて作品のメインテーマとして在日コリアンを取り上げる事にしたそうです。
一九七〇年に開催された万博は、僕と同世代の人たちの記憶に強烈に焼き付けられていると思います。
その華やかな万博の片隅で、時代の波からはまったく忘れ去られたような「在日」韓国人の家族を描いたのが、「焼肉ドラゴン」でした。
「在日」韓国人の……どちらかと言えば、特殊な家族の物語を日本の観客たちがどんなふうに受け止めてくれるか……初演の幕が上がるまで、僕は不安でなりませんでした。
それが温かい拍手で迎えられ、再演、再々演を重ね、映画化までできたことは感無量としか言いようがありません。
その後、「焼肉ドラゴン」は韓国でも上演され、オーストラリア、ニューヨークでのリーディングも大きな反響がありました。
どこの国に行っても、「焼肉ドラゴン」の劇中の家族たちを、あたかも自分の家族であるかのように迎え入れてくれる観客たちに深く感謝するとともに、新たに映画の中で息づき始めた家族たちも愛してくださるよう、切に祈っております。
引用元
監督自身が経験してきた1970年の万国博覧会、そして、日本の時代の変化の中で生きる在日コリアンたちの日々。
血の通ったリアルなヒューマンドラマを感じられそうです。
映画『焼肉ドラゴン』公開日は?
気になる映画『焼肉ドラゴン』の公開日ですが、公式HPによると、2018年初夏となっています。
2018年夏はコードブルーなども公開予定となっています。
あとほかのキャストについても気になりますね。
詳しい日程や予告動画など、今後の発表を待ちたいと思います!
まとめ
今回は映画『焼肉ドラゴン』についてご紹介しました。
伝説の舞台の映画化ということで、今から期待が高まっています。
メインキャスト4人の演技合戦も見ものですね。
映画『焼肉ドラゴン』の公開は、2018年の初夏です。
最後まで読んでいただきありがとうございます
コメントを残す