一見無害で負け犬に見える男・・・その男の名は、フリッツ・ホンカ。
男は夜な夜な行きつけのバーへいき、孤独な女性たちに近づいていった。
実はこの男・・・フリッツ・ホンカは、女だけを殺す連続殺人鬼だったのだ!!
本作は、ドイツで実在した連続殺人鬼の映画化作品です。
実在した連続殺人鬼の映画
「この映画は、実話を元に作られました」というコピーとともに・・・
これまで、実在する犯罪や人物を元に製作されたサスペンス映画は、たくさんあります。
この話は“事実” だったんだ~!と知りながら観ると、より実感がわきます。
映画『永遠に僕のもの』は、1971年のアルゼンチンで12人以上を殺害した連続殺人事件の少年をモデルにして製作されました。天使の顔をした連続殺人鬼と呼ばれ、その残忍さとはおよそ結び付かない美貌に人々が魅了されてしまったという実話ストーリーです。
2016年の映画「ハンガリー連続殺人鬼」は、1957年から10年間にかけてハンガリーを震撼させた連続殺人事件を映画化した実話ベースの映画です。
2016年の邦画「葛城事件」は、実話をモチーフにした映画で無差別殺人事件を起こした加害者青年とその家族、加害者と獄中結婚した女性が繰り広げる、壮絶な人間模様を描いた衝撃的な作品です!
「屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ」は、ドイツで実在した連続殺人鬼の映画化作品です。
ざっくりあらすじ
1975年6月17日のことである。
ドイツの港町・ハンブルクの風俗街の近くに建つアパートで、火災が発生した。
消防隊はアパートのドアを壊し中に入った途端、強烈な悪臭に顔をしかめた。
部屋には人肉が焼けこげている臭いと、何とも耐えがたい強烈な臭いが充満していたのだった。
消防士は鎮火後、異様な臭いがしていた最上階の屋根裏部屋に侵入した。
そこで・・・臭いの原因と考えられるビニール袋をふたつ発見!
それらの袋の中には、腐敗がかなり進んだバラバラの遺体が入っていた。
消防士たちは、ほかにも袋があるのではないかと捜索した。
そして・・・ほかにも切り取られた女性の乳房や、太ももなどを詰めた袋を発見した。
ナント! 屋根裏部屋から幾体ものバラバラ遺体が発見されたのだ!
そのアパートの屋根裏部屋を利用していたのは・・・フリッツ・ホンカ。
ドイツの名匠・アキン監督作品!
本作は、2004年に『愛より強く』でベルリン国際映画祭の最高賞である金熊賞を受賞し、2007年に『そして、私たちは愛に帰る』でカンヌ国際映画祭脚本賞、2009年には『ソウル・キッチン』でヴェネチア国際映画祭審査員特別賞と、30代のうちに世界三大国際映画祭のすべての主要賞受賞という快挙を成し遂げたドイツの名匠「ファティ・アキン監督」の最新作です。
前作『女は二度決断する』では、ドイツにおける移民への偏見や差別を扱い第75回ゴールデングローブ賞外国語映画賞を受賞しました。
トルコ系ドイツ人である彼の作品は、人種や国家の問題にとどまらず果敢にアプローチする作品となっています。
キャスト
殺人者を演じた「ヨナス・ダスラー」は、舞台を中心にドイツで活躍する新進気鋭の実力派若手俳優です。
日本でも公開された『僕たちは希望という名の列車に乗った』で、バイエルン映画賞新人賞を受賞しました。
本作では、毎日特殊メイクに3時間かけて折れ曲がった鼻や特徴的な斜視、極度に猫背のフリッツ・ホンカへと大変身し、どこかユーモラスで人間味がありながらも、観るものを縮み上がらせる狂気に満ちた演技で強烈な印象を残しました。
ヨナス・ダスラーは本作の活躍により、ヴァラエティ誌が選ぶ「注目すべきヨーロッパの若手映画人10人」にも選出されています。
モデルの人物は 詳細は?
実在した殺人鬼・フリッツ・ホンカは9人兄弟の上から3番目に生まれたが大家族だったため家庭は貧しく、彼は生後間もなく孤児院に預けられた。
またフリッツにはどもりがあり、斜視のような目やつぶれたような形の鼻などの外見をネタにされ、学校でいじめを受けていた。
父親は重度のアルコール依存症だったため、子供の教育どころか常に暴力を振るい、幼い彼に無理やり酒を飲ませることもあった。
幼いフリッツは酒乱で暴れる父親に恐怖心を抱きながら酒を飲み続け、大人になる頃には大酒飲みへ成長していた。
その後・・・世間からあまり目立たぬようにと怯えながら成長したフリッツは働ける歳になると、ドイツ国内を転々とし肉体労働者として働いた。
彼は賃金の良い仕事を港で見つけ、ハンブルクに定住するようになっていた。
結婚したが、相手の妻も大酒飲みでトラブルも絶えなく・・・離婚。
離婚した後は、バーに通い詰め好みの娼婦を探して家に連れ込む事に成功。
しかし、彼は性的不能者で連れ込んだ女の前で・・・不能に陥った。
フン! 役に立・た・な・い・男・・・嘲り笑う女
そして嘲り笑う女たちを、「馬鹿にされた」と逆上し殺害しまくったのである。
遺体はバラバラにしたが、捨てるのが面倒で袋に入れ屋根裏部屋に置いたのだ。
このアパートが火事になった事で、この事件が明るみに出たのだ。
逮捕されたホンカは記憶喪失を装ったが結局全てを自供し、終身刑に処された。
精神科医の中にはフリッツが精神的な疾患があると診断する者がいた。
この診断は考慮され、フリッツは刑務所の精神病棟に移送された。
58歳になってからフリッツは仮釈放され、ピーター・ジェンセンという名前で老人ホームに入居した。
その5年後に63歳で亡くなりました。
正にシリアルキラー「フリッツ・ホンカ」は実在した連続殺人鬼だったのです!
まとめ
一見無害で負け犬風・・・まさか殺人鬼には見えない男「フリッツ・ホンカ」
彼の屋根裏部屋からは、幾体ものバラバラ遺体が発見された・・・正に屋根裏の殺人鬼!
本作は、ドイツで実在した連続殺人鬼の映画化作品です。
映画「屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ」2020年2月14日より日本公開
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