『アンチクライスト』や『ニンフォマニアック』など、露骨な性描写や過激な表現で知られるデンマークの映画監督ラース・フォン・トリアー。
そのラース・フォン・トリアーの新作『ハウス・ジャック・ビルト』が、この度日本でも公開されることが決まりました。
ラース・フォン・トリアーの作品は、上映中に観客が気絶したり、退席者が続出したりするなど賛否分かれるものが多いです。
しかし、映画祭で度々受賞しており、映画監督としてはしっかりと評価されています。
そんな監督が送る新作『ハウス・ジャック・ビルト』。
果たしてどのような映画なのでしょうか?
Contents
『ハウス・ジャック・ビルト』ってどんな映画?あらすじは?
『ハウス・ジャック・ビルト』は、フランス・ドイツ・デンマーク・スウェーデンが共同で製作した映画作品です。
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』や『アンチクライスト』などで知られる、ラース・フォン・トリアーが監督を務めます。
日本では、2019年6月14日に公開予定です。
『ハウス・ジャック・ビルト』のあらすじ
舞台は1970年代のアメリカ・ワシントン州。
ジャックは建築家になることを夢見ているのだが、あるきっかけからアートを創作するかのように殺人にのめり込んでいく。
『ハウス・ジャック・ビルト』は、シリアルキラーとなったジャックの12年間を描いた作品となっています。
『ハウス・ジャック・ビルト』のキャストは?
続いてキャストをみていきましょう。
マット・ディロン/ジャック
主人公のシリアルキラーのジャックを演じるのは、マット・ディロンです。
マット・ディロンは、1979年に『レベルポイント』(原題:Over the Edge)で映画デビューしました。
1983年に出演した『アウトサイダー』、『ランブルフィッシュ』で一躍人気俳優となりました。
その後は一時期低迷しましたが、1989年にガス・ヴァン・サント監督の『ドラッグストア・カウボーイ』に出演。
強盗を繰り返すジャンキーを演じ、インディペンデント・スピリット賞の主演男優賞を受賞しました。
その後も多くの映画に出演。
2004年に出演した『クラッシュ』では、全米映画俳優組合キャスト賞など各賞を受賞しました。
また、2002年の映画『シティ・オブ・ゴースト』で監督としてもデビューしています。
ブルーノ・ガンツ/ウェルギ
映画に登場する男性ウェルギを演じるのは、スイス・チューリッヒ出身の俳優ブルーノ・ガンツです。
1987年の『ベルリン・天使の詩』で主人公の天使ダミエルを演じ、世界的に知られるようになりました。
『ベルリン・天使の詩』をはじめ、『ノスフェラトゥ』や『ヒトラー〜最期の12日間〜』など、ドイツ映画界で活躍しました。
また、日本映画にも出演しており、『バルトの楽園』では、第一次世界大戦中に板東俘虜収容所で捕虜となったドイツ兵クルト・ハインリッヒを演じています。
2018年から大腸癌を患っていましたが、2019年2月16日に自宅で死去しました。
ユマ・サーマン/女性
ユマ・サーマンは役名のない女性役として出演しています。
『パルプ・フィクション』や『キル・ビル』などで、日本でもユマ・サーマンを知っている人は多いでしょう。
もともとモデルとして活動していたユマ・サーマンは、1987年に映画『ミッドナイト・ガール』で女優デビューしました。
その後に出演した『バロン』などで注目を集めるようになりました。
私生活では、1990年にゲイリー・オールドマンと結婚し、1992年に離婚。
1998年には『ガタカ』で共演したイーサン・ホークと結婚。
2子をもうけるも、イーサン・ホークの浮気が原因で2004年に離婚しました。
2008年にはスイス人の億万長者アーパッド・ブッソンと婚約するも破局。
しかし、その後よりを戻し、2012年に二人の間に女児が生まれました。
『ハウス・ジャック・ビルト』海外の反応は?
数々の話題作を作ってきたラース・フォン・トリアーが監督ということで、期待している人も多いのではないでしょうか。
『ハウス・ジャック・ビルト』は、2018年5月14日に第71回カンヌ国際映画祭で初めてプレミア上映されました。
上映時には、途中退出者が100人以上も続出。
しかし、上映終了後には6分間にも及ぶスタンディングオベーションが起こりました。
どうやらこの映画は賛否の分かれる作品になっているようです。
アメリカでは、あまりの過激さに修正版のみが正式上映となりました。
しかし、好意的な意見もあり、映画などを扱う情報誌「ハリウッド・リポーターでは、「間違いなく観るべき映画」と評されました。
日本では、2019年6月14日に、R18+指定で無修正完全ノーカット版で公開されます。
『ハウス・ジャック・ビルト』の監督ラース・フォン・トリアーとは?
本作で監督を務めたラース・フォン・トリアーは、過激な表現をすることで有名です。
2009年にカンヌ国際映画祭で初めて上映された『アンチクライスト』では、激しい暴力や露骨な性描写が物議を醸しました。
映画上映中に4人の観客が気絶したり、審査員からは女性蔑視の映画であると非難され、最低賞が送られるという始末でした。
しかし一方で、映画に出演したシャルロット・ゲンズブールがカンヌ国際女優賞を受賞するなど賛否の分かれる作品となりました。
主な作品
多くの話題を呼ぶ映画を作ってきたラース・フォン・トリアー。
では、ラース・フォン・トリアーの主な作品を見ていきましょう。
・『エレメント・オブ・クライム』(1984年)
・『エピデミック』(1987年)
・『ヨーロッパ』(1991年) 第44回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞
『エレメント・オブ・クライム』はラース・フォン・トリアー初の長編監督作品です。
この『エレメント・オブ・クライム』、『エピデミック』、『ヨーロッパ』を合わせて「ヨーロッパ三部作」と言われ、未来に対するヨーロッパのトラウマが描かれました。
・『奇跡の海』(1996年) 第49回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞
・『イディオッツ』(1998年)
・『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000年) 第53回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞
上記3作は「黄金の心三部作」と言われ、困難な状況下においても純粋な心を持ち続ける女性を主人公にした作品となっています。
・『アンチクライスト』(2009年)
・『メランコリア』(2011年)
・『ニンフォマニアック』(2013年)
こちらは「鬱三部作」と言われています。
ラース・フォン・トリアーは2007年〜2009年にかけてうつ病で休業していました。
『メランコリア』はカンヌ国際映画祭に出品されましたが、ラース・フォン・トリアーは記者会見で、アドルフ・ヒトラーに理解を示すような言動を行いました。
このことが問題視され、映画祭追放処分を受けました。
まとめ
数々の話題作を撮ってきたラース・フォン・トリアー。
過激な表現で賛否の分かれる作品も多くあります。
しかし、カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞するなどを受賞しています。
素晴らしい映画監督であることは間違い無いでしょう。
過去にはヒトラーに理解を示すなどの問題もあり、カンヌを追放されました。
それから、本作『ハウス・ジャック・ビルト』で復活を果たしました。
カンヌ国際映画祭でのプレミア上映では、100人以上の途中退席者が続出するなど、本作も賛否が分かれています。
一体どのような映画となっているのでしょうか?
日本では2019年6月14日に公開されます。
気になる方はチェックしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
コメントを残す