どれだけ大きな事件でも時が経てば、大衆の記憶からは忘れ去られてしまう・・
昭和最大の未解決事件「グリコ・森永事件」もいつしか・・忘れ去られてしまった。
しかし・・30年以上の時間を経ても、この事件を忘れない人がいる!
映画「罪の声」は、誰もが知るこの事件を題材に描かれた作品です。
罪の声(映画)ネタバレやあらすじ!犯人の謎や漫画・小説とストーリーが違う?ことを調べてみました。
Contents
「罪の声」原作は?
昭和最大の未解決事件「グリコ・森永事件」とは、1984年と1985年に阪神を舞台に食品会社を標的とした一連の企業脅迫事件で昭和最大の未解決事件ともされています。
被害企業は株価暴落など、経営に大きな打撃を受けました。
「グリコ・森永事件」から30年以上の時間を経て、2016年に出版され大きな話題となった『罪の声』は、誰もが知るこの事件を題材に書かれた小説です。
この未解決事件を記者の経験がある「塩田武士」が、圧倒的な取材と着想で書き記した原作は、2017年の本屋大賞で第3位を獲得し話題となりました。
あらすじとネタバレ
映画の中での「ギン萬事件」は、1984年に関西で起きた「グリコ・森永事件」が元になっています。
主人公は、2人います。
二人はそれぞれ独自に事件を調べ続け、その交点に真相が浮上してくることになる。
<あらすじ>
曽根俊也(星野源)は、「テーラー曽根」の店主として妻の亜美と娘の詩織と穏やかに暮らしていました。
ある日、胃潰瘍で入院した母親に「電話台に入っている、アルバムと写真を持ってきてもらいたい」と頼まれます。
その中に黒い手帳とカセットテープを見つけて、父親の遺品だと気づき聞いてみました。
すると・・昔起きた「ギン萬事件」の脅迫音声が録音されていて、その声が子供の頃の自分の声だと気づきました!
そのことから、父親の友人・堀田信二と一緒に事件について調査をすることになります。
もう1人の主人公、大日新聞文化部の記者・阿久津英士(小栗旬)は、未解決事件を再調査して、記事にするように上司に言われたことから、「ギン萬事件」の真相を調査することになりました。
阿久津は、「ギン萬事件」の犯人たちがやりとりしていたと考えられる、無線傍受の記録を手に入れます。
阿久津の調査で、曽根俊夫という人物が「叔父が事件に関与している」ことを示すテープと手帳を持っていることを知ります。
その後、阿久津は曽根と出会って、ギン萬事件の真相に迫ります。
<ざっくりネタバレ>
しかし曽根は、「事件については知らない」と追い返そうとする。
阿久津は、単独でイギリスで消息を絶っている曽根の叔父に会いに行く・・
曽根の叔父、曽根達雄は自らの罪について告白します。
その告白で、曽根俊也の父親の光雄は・・でした。
ネタバレはここまで
読んだ方のあらすじと感想
罪の声はグリコ森永事件をモチーフとした漫画です。
グリコ森永事件を知っている人であれば、何倍も楽しむことが出来ます。実際の事件を参考にしていることもあり、とてもリアリティーがあるストーリーになっています。
事件そのものではなく被害者家族や捜査員など関連している人達の心情も描かれています。
加害者の子供にスポットを当てて物語は構成されています。
加害者の子供が社会から逃げ続ける様子なども描かれています。
イギリスや時効後でも事件を追っている記者などもキーポイントになっています。
マスコミの報道や警察の対応なども作者の想像力と現実の事件を重ね合わせていくことによって、感情移入しやすい設定となっています。
グリコ森永事件を調べなおしてからみると物語りの深い意味なども理解することが出来るようになります。
どんな事件にも加害者と被害者がいます。さらにその家族や関係する人達にも大きな影響を与えていくということがよく分かります。
特にこの物語は加害者の家族である子供が中心となっていることから、犯罪は加害者だけの罪ではないということもテーマとしてあります。
犯罪被害者に焦点を当てている物語りはとてもたくさんあります。
ただ、この漫画のように加害者の家族に焦点を当てている漫画はとても珍しいので、そうした点でも新しさや新鮮さを感じます。
新しい視点でかなり以前の未解決事件を考察する楽しさを与えてくれる作品となっています。
グリコ森永事件は今まで多くの作品で取り上げられています。ただね犯罪加害者の視点で取り上げていくということは新しい挑戦としてこの物語りがヒットした理由としてあります。
この作品のファンの間ではなぜ望ちゃんが殺害されたのかなども大きな疑問となっています。
様々な伏線を張りめぐられていくことによって、ラストで怒涛の展開と感動のクライマックスが待っています。
主人公級の2人がラストではキーポイントになっていきます。
グリコ森永事件というかなり以前の事件をモチーフとしている漫画なのでとてもリアリティーがあります。
さらに作者の洞察力の高さが分かるストーリー設定も大きな魅力としてあります。
この事件に関してこんな解釈があったのかという感動なども味わえます。
読み応えもあるので、骨太の作品を読みたいという人にもおすすめです。ストーリーがしっかりとしている漫画となっています。
新しい視点で古い事件を考察していく世界観が全体的な魅力としてあります。
キャスト
キャストは、小栗旬と星野源のW主演で主人公は2人います。
映画初共演となる小栗旬さんが主人公の新聞記者・阿久津英士を、そして、もう一人の主人公・曽根俊也を星野源が演じます!
小栗旬/新聞記者・阿久津英士役
俳優の小栗旬は今や、ドラマや映画で多数主演を務める引っ張りだこの人気俳優です。
また、映画監督としても作品を製作するなど幅広い分野で活動しています。
今後も、活躍から目が離せない”旬”の人気アクターです。
星野源/曽根俊也役
星野源は、俳優の他に音楽家やエッセイの文筆家など、複数の顔を持ち幅広い活動を
行っています。
2016年10月にリリースしたシングル『恋』は、自身も出演したドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の主題歌として社会現象とも呼べる大ヒットを記録しました。
俳優としては、映画『箱入り息子の恋』『地獄でなぜ悪い』等に出演し、第37回日本アカデミー賞・新人俳優賞等の映画賞を多数受賞した演技派でもあります。
犯人の謎とは?
小説の犯人グループは、さまざまな思惑で寄り集まった集団だった。
犯人グループ各人の役割も、決まっていたのです。
恐喝に使われた録音テープは、幼い子供の声で犯罪には子供が利用されていました。
しかも偶然見つけたテープは、自分の声!なぜ自分が巻き込まれているのか??
ということは・・自分の身内に犯人がいるのでは!?
実際、恐喝による金の引き取りには危険が伴うので別の方向に展開することになりました。
実は・・犯人は株価操作とつながっていたことが明らかになっていくのです。
最終的に阿久津は「真犯人」にたどり着くのだが・・そのときに全ての謎が!?
漫画・小説とストーリーが違う?
小説「罪の声」は、2016年週刊文春ミステリーベス10の第1位にも選出され大ヒットしました。
これまで、大ヒット小説を漫画化した作品には「永遠の0」や「海賊とよばれた男」が有名で、いずれも「須本壮一」が圧巻の筆致で描いています!!
漫画版『罪の声』も、原作を元に須本壮一がコミカライズしています!!
漫画版では、捜査線上に浮かんだ「キツネ目」の男が第2巻の冒頭で登場し、阿久津が犯人について想像するキャラクターとして描かれています。
「キツネ目に告ぐ、もう逃げられんで!」というキャッチコピーもあり小説と漫画版と映画版でのストーリーの違いがあります。
その目は恐ろしいことを平気でする冷徹で残酷なイメージがあり、子供を巻き込んでも顧みない悪役のオーラをまとった人物が表現されています。
漫画版を読んでから、原作小説を読むスタイルも微妙に違いがわかる発見があるかもしれませんね!
まとめ
昭和の未解決事件「かい人21面相」にまつわる人々の記憶は、忘れられています。
しかし「まだ事件は終わっていない」と強く訴えかける人がいる!
事件から32年が経った今、「罪の声」はフィクションとして誕生しました。
「真犯人」を追い続けた作家がたどりついた、ひとつの「答え」とは・・
映画「罪の声」2020年公開
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