ハドリー・チェイスのミステリー小説「悪女イヴ」を原作とした映画『エヴァ』が、2018年7月7日に公開される事になりました。
盗作で成功を掴んだ男が”エヴァ”という娼婦に出会い翻弄されていく、官能と崩壊を美しく描いた作品です。
原作小説は1962年にも「エヴァの匂い」というタイトルで映画化されていたのですが、今作は「マリー・アントワネットに別れをつげて」で知られるブノワ・ジャコーが監督を務めます。
主人公を翻弄する、謎多き娼婦”エヴァ”を演じるのはイザベル・ユペール。
2017年には官能スリラー作品「ELLE」の主演を務め、第89回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされました。
60代という、年齢を重ねたからこその色気といいますか…芸術的であり、嫌悪感に繋がらない色気を感じさせる大女優さんです。
今回は作品のネタバレやあらすじ、出演キャストとイザベル・ユペールの妖艶すぎる演技力について紹介します。
Contents
『エヴァ』のネタバレやあらすじは?
他人の戯曲を盗作し、自身の作家デビューを成功させたベルトラン。
世間に2作目を期待されるほどペンは進まなくなり、パトロンからの催促にも焦ります。
執筆を進めようと別荘に向かいますが、別荘には吹雪で立ち往生した男女が窓を割って侵入していました。
くつろぐ男女に文句を言おうと近づいたベルトランですが、バスタブに浸かっていた娼婦”エヴァ”を一目見ただけで虜に。
2作目の題材という理由をつけてエヴァと親しくなろうとしますが、冷たくあしらわれ続けます。
思い通りにならないエヴァとの関係に苛立ちつつ、破滅へと向かっていくベルトラン。
ここまでが今作『エヴァ』のあらすじとなります。
原作が同じ小説である「エヴァの匂い」によりますとこの後、主人公男性は婚約者を放ってまでエヴァに入れ込んでしまいます。
エヴァを殺してしまいたくなるほどの憎悪を覚えながら、すがり続けます。
娼婦であり、あくまでお金にしか用のないエヴァと、エヴァに魅了され続ける主人公。
ある夜、エヴァに主導権を握らせる彼を見てしまった婚約者は、ショックのあまり自殺してしまう。
それから2年が経ち、それでもなおエヴァを求め続ける主人公には、もう何も残されていないのでした。
ベルトランも「エヴァの匂い」の主人公と同じ末路を辿ってしまうのでしょうね…。
『エヴァの匂い』…そんな悪女感満載のモローに主人公の作家が振り回されるのが中盤までで、終盤は延々と男の未練と破滅が描かれる。映画の重い印象はこの終盤のものであった。「好きなものはお金、嫌いなものは年とった女」というエヴァの悪女ぶりは、こちらが年を取ったせいか心に沁みた。
— ツムラヤユーイチ (@TsumuTerrazzo) March 8, 2018
『エヴァの匂い』角川有楽町 ジャンヌ・モロー演じる悪女の猛毒ぶりがワクワクするほど怖いです。綺麗な婚約者がいるのに、周りに不幸をまき散らしながら自滅していく男がとことん哀れ。モノクロで画面がよく揺れ、画質的にも多少きついですが、ヴェネツィアの風景が魅力的に撮られているところも良。
— show (@show711) February 26, 2018
物語が終盤になるにつれて、哀れな主人公に胸が痛みます。
エヴァが主人公の人生を壊したというより、身勝手な自滅に近い部分もあるのでなおさら哀れです。
続き)…で、映画の内容ね。「悪女に翻弄され破滅する男の悲劇」と要約されることが多いけど、現代の感覚で観ると「翻弄される男」ティヴィアン(スタンリー・ベイカー)がキチすぎて全く共感できない。一度会っただけのエヴァ(モロー)に、関係も持ってないのに執着して速攻ストーキングしてるし…。
— ののか (@nonohanano) March 21, 2016
主人公の心情に同情してしまうか、ただただ哀れむか。
エヴァへの”悪女”という印象は、観劇側によって大きく違ってきそうですね。
『エヴァ』のキャストは?
日本版オフィシャルサイトで公開されている主演の2人をメインに紹介させていただきます。
イザベル・ユペール(エヴァ役)
1953年生まれ、フランスの女優。
今作では、主人公を翻弄する高級娼婦を演じます。
2016年には「ELLE」、「未来よ こんにちは」で数多くの主演女優賞を受賞している実力派大女優。
1972年の映画デビューから様々な女性を演じていますが、息子と関係を持つ母や、性的嗜好の複雑なピアニストなど、闇を抱えた女性像を演じる事が多いですね。
他の女優さんでは心が持たないのでは…?なんて心配になってしまう役柄を、何役もこなせるタフさに圧倒されます。
https://twitter.com/mmcan_do/status/997107214446874624
それぞれ別のプレミアにいた2人だけど、何となくいい感じww
ユペールはサンローランのようね✨ pic.twitter.com/xxSwHmXDfy— Yako (@may24flower) May 18, 2018
相変わらずヒール高いなぁ。。。いいなぁ。。。ユペール様に会いたいなぁ
— O型 (@gobanst) May 13, 2018
演技力はもちろん、スタイリッシュなファッションや外見にも注目を集めています。
歳を重ねるにつれ増す魅力は、まさに女性が憧れる女性像ですね。
ギャスパー・ウリエル(ベルトラン役)
1984年生まれ、フランスの俳優。
今作ではエヴァに翻弄される、盗作によって成功を収めた作家を演じます。
2007年には人気サイコスリラー映画「ハンニバル」シリーズの「ハンニバル・ライジング」で、連続猟奇殺人鬼ハンニバル・レクターの青年期を演じて話題となりました。
文句のつけようがない美青年らしいルックスと、180cmの高身長で見事に人気人物を演じきった彼は、その後シャネルの香水のモデルにも採用されたようですよ。
どんなにイケメンでもなびかない、あくまで”娼婦”であるエヴァにどう転がされていくのか…楽しみですね。
イザベル・ユペールの演技が妖艶すぎる!?
林瑞絵さんによる映画『エヴァ』評です。「挑発しながら惹かれ合う。互いに秘密を抱えた二人は、似た者同士にさえ見える」
『Eva』イザベル・ユペール、究極のファム・ファタル。 – https://t.co/4fS4Zv8iuG via @ovninavi pic.twitter.com/cgFk9zr1ZT— 映画『エヴァ』公式 7月7日(土)公開 (@eva20180707) May 18, 2018
イザベル・ユペールは今作の原作を読んだ時から「この役は私」だと感じていたそうです。
「ELLE(2016年)」ではしたたかに加害者を手玉に取り、精神的・肉体的に、見事な復讐を果す女性を演じていました。
センセーショナルな題材を体当たりで演じた彼女はセクシーながら、とてもカッコよかったです。
「エル」ではイザベル・ユペールの「還暦過ぎてもこの色気!」を、バーホーベン好みで見事に撮ってくれたので、くやしいことこのうえない。(何様)ああそれにしても、ユペールの色気。「ピアニスト」も、一見色気なし、しかも屈折した女性がもつ色気が良かった。 pic.twitter.com/KmXrGLDUfM
— Bavariya (@BavariyaHonpo11) April 19, 2018
『エル ELLE』個人的には今年ベストクラスの傑作。シュールなブラックコメディと重層的な共犯関係を描く耽美なドラマとの絶妙なバランス。同行者には1ミリも理解されなかったが全ての登場人物のリアリティと愛しさに胸が苦しくなった。そして異様なまでの色気を放つユペールの見事なこと……
— りなくろ (@rinakuro) October 1, 2017
今作でも表現される、含みのある美貌としなやかな強さは、恐怖を覚えるような妖艶さですね。
予告編でのエヴァは、ベルトランに何も言われても、何をされてもひるんだ素振りをみせていません。
そんな凛々しい振る舞いが、男性の心を惹きつけるのでしょうね。
まとめ
映画『エヴァ』はフランス映画作品らしい、アート性の高い官能作品となっていました。
数々の女性を演じてきた、60代のイザベル・ユペールだからこそ表現できる役柄となっています。
予告編の「罠」や「嫉妬」といったテロップもスリリングで、題材の色気を引き立たせますね。
『エヴァ』は2018年7月7日より全国で公開されます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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